銀行が提示する「借りられる金額」は“あなたの家計が無理なく返せる金額”とは一致しない。ここを誤ると、将来的に売却せざるを得ない状況に追い込まれる。
■ 銀行が示す「借りられる金額」は“貸してもよい金額”
住宅ローンの審査では、金融機関は年収に対する返済負担率(多くは30〜35%)を基準に
「貸してもよい金額」を算出します。
年収500万円なら、年間返済175万円(月約14.6万円)まで許容され、4,000万円前後まで借りられるケースもあります。
しかし、この数字は “家計が無理なく返せる金額”ではない という点が最大の落とし穴です。
銀行はあなたの生活費・教育費・車維持費・老後資金までは考慮しません。
■ 本当に大切なのは「返せる金額」──生活を壊さないライン
返せる金額とは、手取り収入から生活費・教育費・車維持費・貯蓄を差し引いたうえで、長期間にわたり無理なく支払える額 のことです。
一般的に家計の安全ラインは 手取りの20〜25%。
銀行基準(30〜35%)と家計基準(20〜25%)には大きな差があり、
借入上限でローンを組むと“毎月ギリギリ”になりやすい のが現実です。
倉敷市でも、教育費ピークと住宅ローン返済が重なり、売却相談に来られる方は少なくありません。
■ 借入上限で組むと危険な理由
返済が苦しくなる典型パターンは次の通りです。
- 想定外の出費(車買い替え・教育費ピーク)が重なる
- ボーナス返済に依存している
- 変動金利でギリギリまで借りている
- 修繕費・固定資産税を見込んでいない
- 共働き前提で借りたが、収入が減った
これらが重なると、延滞 → 任意売却 → 競売 という最悪のルートに進む可能性があります。
■ “返せる金額”を決めるための実務ステップ
- 手取り月収 × 20〜25% = 毎月返せる上限
- ボーナス返済はゼロ前提
- 変動金利は「金利+1〜2%」の返済額も確認
- 修繕積立として月1〜2万円を別枠で確保
- 教育費ピーク(中学〜大学)と返済額の重なりを必ず試算
この基準で考えると、銀行の“借入上限”より1,000万円以上低くなるケースも珍しくありません。
■ 返済が厳しいと感じたら“延滞前の売却”が最善
返済が苦しいと感じたら、延滞する前に売却を検討する方が圧倒的に有利 です。
- 延滞前 → 通常売却が可能
- 延滞後 → 任意売却・競売リスク
- 競売 → 市場価格より大幅に安くなる
倉敷市は中古住宅の流通が比較的活発な地域のため、
早期判断ができれば「残債を残さず売却」できるケースも多い のが特徴です。
■ まとめ
- 銀行が貸してくれる金額=返せる金額ではない
- 家計の安全ラインは手取りの20〜25%
- 借入上限で組むと家計破綻リスクが高い
- 返済が厳しいと感じたら延滞前に売却検討が最適
【出典(公的機関のみ)】
- 金融庁「金融機関の住宅ローンに関する審査基準等について」
- 国土交通省「住宅ローン利用者調査」
- 総務省統計局「家計調査」
※本コラムは上記公的資料をもとに、家計負担率・返済比率・住宅ローン利用実態を整理し、倉敷市の不動産売却相談の現場に合わせて再構成しています。