すぐ売るべきか、待つべきかは「4軸」で判断
相続した家をどう扱うかは、税制・市場・維持費・制度の4つの軸で判断すると迷いません。節税制度の期限が迫っている場合は、待つメリットより期限内に売るメリットが圧倒的に大きく、早期売却が合理的です。市場が下落傾向なら早めに動くべきですが、再開発や需要増の根拠がある地域では待つ選択肢も成立します。空き家は年間10〜30万円の維持費がかかり、管理できない場合は放置するほど損失が増えます。相続登記義務化や空き家対策条例の影響もあり、制度面でも放置はリスクが高い選択です。この4軸を整理すれば、最適な売却タイミングが明確になります。
1. 税制軸:節税制度の期限が迫っているなら“すぐ売る”
相続不動産の売却で最も重要なのが税制の期限です。取得費加算の特例は相続開始から3年10か月以内、空き家の3,000万円控除は相続開始の翌年から3年後の年末までが期限です。どちらも期限を過ぎると節税効果がなくなり、売却益に対する税負担が大きくなります。特に相続税を支払ったケースでは取得費加算の効果が大きく、適用できるかどうかで手取り額が大きく変わります。税制が使える状況で「待つ」という選択肢は基本的に成立しません。期限内に売ることで手取りが最大化されるため、売却モードの結論としては早期売却が最も合理的です。
2. 市場軸:地価上昇の根拠があるなら“待つ”も選択肢
倉敷市の不動産市場はエリアによって動きが異なります。買い手が少ない地域や築古物件が多いエリアでは価格が横ばい〜下落傾向になりやすく、早期売却が合理的です。一方で、再開発予定地、商業施設の誘致、道路整備など価値が上がる根拠がある地域では、数年待つことで売却価格が上がる可能性があります。ただし市場は完全には読めないため、待つ場合でも売れる状態に整えておくことが重要です。不要物の撤去、簡易清掃、境界確認など、売却準備だけ先に進めておくことで、価格が上がったタイミングで即行動できます。待つ選択をする場合でも、準備の早さが結果を左右します。
3.維持費軸:空き家のまま放置すると“確実に損”
相続した家を使わずに放置すると、固定資産税、火災保険、草刈り、清掃、設備劣化など、年間10〜30万円の維持費が発生します。さらに管理不足による近隣トラブルや、建物の劣化による価値下落も避けられません。特に遠方に住んでいる場合や管理に時間を割けない場合は、放置するほど負担が増え、売却価格も下がる“ダブル損”になりがちです。使う予定がない、管理が難しい、維持費が負担、この3つのどれかに当てはまるなら早期売却が最も合理的です。待つメリットよりリスクの方が大きくなるため、維持費軸では「早く動く」判断が基本になります。
4. 制度軸:相続登記義務化で“放置”は最も危険
2024年から相続登記が義務化され、放置すると10万円以下の過料対象になります。倉敷市では空き家対策条例が整備され、管理不十分な空き家は行政指導の対象になる可能性があります。制度面では放置が最もリスクの高い選択肢であり、売却するかどうかに関わらず、早めに登記・現況確認・書類整理を進める必要があります。また、空き家バンクや補助制度を活用できるケースもあるため、制度を理解したうえで売却タイミングを決めることが重要です。制度リスクを避けるためにも、早期に動くことが結果的に負担を減らし、売却判断の自由度も高めます。